SSブログ

ゲームショウ2010を終えて(3) [ゲーム分析]

 ゲームショウの話の続きです。

 そもそも東京ゲームショウというイベントがスタートしたのは、「ゲームというものを、みんなに正しくアピールしなくちゃ!」という目的があったからだと考えておけば、だいたい正解です。

 かつてゲームは「たかが子供の遊び」であり、いわば「文化として数ランク下」の存在として認識されがちだったのですよ。なので、それを払拭するためにも、大々的なイベントを開催して、ユーザーのみなさん、そしてメディアにアピールしたわけですね。

 その努力は実って、いまやゲームを「ランクの低い娯楽」と位置づける風潮はなくなった(少なくとも、かなり少なくなった)わけです。このイベントを開いたことは、大成功だったのです。



 で、数年前から、ゲームショウは次のステップに入りつつあるんですね。

 ゲームという「産業」は、日本を支える大事な産業なんだよ! という空気を作る地固めに入っている、という認識でいいでしょう。

 だから、毎年のようにゲームショウに足を運んでいる人は、「あれ? このブースって、何のためにあるの?」と、ふと疑問に感じることが多くなっていると思います。

 全体をくまなく回ってみると、そういった、ゲームショウに似つかわしくないブースが増えてるんですよね。今年だと、たとえば「地デジ」のブースとか。



 ゲーム産業は、立派な産業である。

 という認識は広がってきました。なので、いろいろな官公庁が、ここに関わるようになってるのね。レンホーに見つかったら目くじら立てられるかもしれません(笑)。

(冗談が通じない人のためにフォローしておきますと、目くじら立てられるほどの大金は流れちゃいません。ねんのため)



 数年前から、ゲームショウは経済産業省とタッグを組んで開催されるイベントになりました。

 いま、世界中でゲーム、アニメ、コミックなどを軸としてイベントが多く開催されるようになったのも、同じことです。日本のコンテンツビジネスを世界に売り出すことを、国がバックアップしているんですな。これも、陰で支えているのは経済産業省ですね。

 そして年々、多くの官庁が参加するようになってきた、ということです。手元にパンフレットを持っている方は、隅々までチェックしてみると、いろいろと面白い発見があったりしますよ。



 これが、現在のゲームビジネスの姿です。

 もともとゲームビジネスってのは、「玩具を作って、それを売る」というビジネスの範疇にあったわけです。これだと官公庁の出る幕は、ほとんどない。(手を出しても旨みがない、ともいえます)

 国が絡んでくると、いいことないよなー。

 みたいなイメージを持つ人も多いのでしょうか。それは間違った認識じゃないけど、正しくもない。世界レベルで見れば、有望な産業は、国のバックアップを受けるのは当たり前で、そうやって世界市場に乗り込んでいきます。韓国は、とっくにそういうシステムを作ってますし、ここ数年は、中国がそうなってますね。ゲームビジネスは国策のひとつになっている。

 そもそも、たとえばオンラインを使用するとか、ケータイを利用する(つまり電波を利用する)とか、そういうことにゲームが乗り込んでくると、それって「国が用意したインフラを利用する」ということだから、国との協力関係が必要になるわけですしね。



 というわけで。

 ついに日本のゲーム産業も、ここ数年で、一気に官公庁で顔を出すようになってきた、ということです。それが、どんどん見えてきたのが、昨今のゲームショウの、ひとつの姿だったりするんです。



 余談ですが。

 CEDECとか東京ゲームショウとか、9月には、いろいろあったわけですが。

 そこでは、例の「事業仕分け」の影響があったりしたんだよねー。どこに影響したのかは、さすがに書かないけどさ(笑)。いろいろと想像してみてください。

(つづく)

http://twitter.com/noyasuyukio もどうぞ)


nice!(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。