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画質を上げても、ソフト売上げ向上には繋がらない [ゲームソフト]

 全10巻・5000ページ!

 といった、長大な小説があるとしましょう。

 すっげぇ面白いんですよ! 読んでみればわかります! と小説好きの人たちが力説しても、多くの人は、なかなか手を出さないと思うのね。読み終えるのに40~50時間かかりそうだし、それだれの時間の余裕があるのなら、もっと他に楽しいことができそうだからね。

 最近、大作ゲームが売れなくなっている理由は、つまり、こういうことです。



・テレビを見る
・映画を見る
・他の小説を読む
・マンガを読む
・ネットを楽しむ
・恋人とデートする
・友人と酒を飲む
・美味しいものを食べる
・ショッピングを楽しむ   などなど

 40~50時間を費やすゲームを遊ぶということは、こういった、世の中にある、ありとあらゆる「楽しいこと」をする時間を、40~50時間分、削るということです。

 この小説には、それに見合うだけの楽しさが、ありますか?

 それが明示されないような小説は、そりゃ大衆にヒットするわけがない。世の中には面白いものが、山ほどあるからね。



 グラフィックが凄いよ!
 HD画質ですよ!

 と主張する大作ゲームの売り上げが、さほど大きく伸びないのは、そのためです。

 過去のゲームに比べると、画質がよくなって、つまりレベルアップしているわけですよ。それは間違いない。

 でも、だからといって売上げは伸びないんですよ。

 どうして伸びないんだろう? と疑問に思っている人もいるのかなぁ。そういう人には、逆に質問してみたいです。

 画質が上がると、どうしてゲームの売り上げが伸びると思うの? と。



 だって、HD画質のゲームを楽しめる環境にあるってことは、HD画質のテレビ(モニター)を持っているっちゅうことでしょ? ふだん見ているテレビも、ビデオも、みんなHD画質になるわけですよ。

 てことは、ゲーム以外の「楽しいこと」も、HD画質になったことにより、同じようにレベルアップしますよね。HD画質になって恩恵を受けるのは、ゲームだけじゃないのです。

 熱心なゲームファンは、「凄い画質のゲームが遊べるようになったぜ! よし! いままでよりも、たくさんゲームを遊ぼう!」と思うかもしれません。

 だから、同じように、熱心にテレビを見ている人は、「凄い画質でテレビが楽しめるようになったぜ! よし! いままでよりも、たくさんテレビを見よう!」と、きっと思うわけです。

 モニターがHD画質になっても、ゲームだけが恩恵を受けられるわけじゃない。つまり「他の楽しいことと比較したとき感じられる、ゲームならではの面白さ」は、さほどアップしないんですよ。画質が良くなった! という感動は、ゲーム以外のメディアでも味わえるからね。



 こんな当たり前のことに気付いていない(あるいは気付いていないふりをしている)人が、けっこうたくさんいるんだよなぁ。

 ただ画質を向上させただけでは、それはゲームの品質向上には影響するけど、ゲームの売上げには、さほど貢献しないんですよ。そんなもん、ここ数年のゲームソフトの売上げランキングを見れば、誰でもわかるはずなんだが……。
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