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作り手とゲームファンの仕事 [挨拶]

 震災から一週間が過ぎました。

 いくつか、ゲームについて、考えてきたメッセージを書いておこうと思います。




 ゲームを作っているみなさまへ。

 野安は、あなたたちの能力と才能を、いままで以上に強く信じようと思います。

 しばらくすると、あなたたちの力が必要になります。なぜなら、あなたたちは「人を楽しませる作品」を産み出すプロフェッショナルなのだから。



 GIFTEDという言葉があります。

 「神から与えられた能力」といったニュアンスでしょうか。

 きっと、あなたたちは、「人を楽しませるゲーム」を作る能力を、神から与えられたのです。だから、いま、このタイミングで、ゲームを作る場で仕事をしているという運命に巡り合ったのだと思うのです。

 だから、いつの日か、その力を、これまで以上に発揮していただきたいと願います。

 「人を楽しませること」が、なによりも求められるときが、いずれやってきます。命の危険に怯えることなく、最低限ではあっても、日々の暮らしを取り戻すときが、そう遠くない時期にやってきます。

 それが、あなたたちの出番を告げる号砲です。

 ひとりでも多くの人を「楽しい」気持ちにさせる、そういう作品を生み出すことに、あなたたちが精一杯の努力をすることを、野安は信じています。




 もうひとつ、メッセージを。

 ネット上には、主にハードごとの陣営に分かれて、他の陣営のネガティブな要素を(とき
には汚い言葉で)攻撃し合う、という文化があります。

 そういう「疑似戦争ごっこ」は、平常時ならば、楽しく眺めています。そうやってエネルギーが激突することも、ゲーム文化が持つ側面のひとつであり、ゲームというエンタテインメント産業を盛り上げるためのスパイスだと思っています。



 だけど。

 そういうの、しばらく、やめないか?

 テレビゲームという「人を楽しませる文化」を愛する者であるならば、いまは、そんなことをするべきではない。スパイスは、誰もがおいしい食事をとれるようになったときにのみ、必要なものなのだから。

 みんな、ゲームが好きだから、ゲームについて語ってるんだろ?

 ならば、いま求められるのは、ゲームは楽しいんだ! この楽しさを、より多くの人が楽しめる時代がやってくることを祈るぜ! という気持ちなのだと、野安は信じます。




 それを実行するのは、難しいことじゃない。

 被災せず、また停電の心配もないような地域の方は、いままでのようにゲームを楽しめばいい。ゲームって面白いよ。ゲームって楽しいよ。そういった言葉を、胸の中に溜めておいてください。

 まだ被災に苦しんでいる人がいるので、いますぐ、そういうことを発信すべきではないかもしれないけれど。

 しばらくすると、そういう言葉こそが必要になる。世の中には楽しいものがあるんだ! という明るい言葉が必要になるときが、必ずやってくるのです。



 だから、いまは、ゲームは楽しいんだ! という気持ちを、それぞれが心の中に溜めておいてください。ネガティブな言葉ではなく、ポジティブな言葉を発信するための準備をしましょう。

 いつの日か、ゲームを楽しめる余裕が生まれた人に向けて、「おかえりなさい! こんなに楽しいゲームがあるよ!」と、仲間に迎え入れるための準備をしておきましょう。

 それは、ゲームファンにしかできない仕事なのです。

 それが、「ゲームを愛してやまない」「ゲームついて語らずにはいられない」という能力を、神から与えられた(GIFTED)者の役目なのだと、野安は思います。



 陣営に分かれて、疑似戦争ごっこをするのは、もっともっと先でいい。

http://twitter.com/noyasuyukio もどうぞ)


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