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「トラベルミステリ」と「ムービー」 [ゲーム分析]

 アジアカップ準決勝。このエントリを書いている現在は、まだ日韓戦の結果はわからないのですが、さて、どうなったかしら?

 序盤に押し込んでくる韓国。
 受けて立ってから、徐々にペースを握っていく日本。

 という展開になるのかなぁ、と予想しています(休養日の差があるので、疲労が大きい韓国が、早めに攻勢をかける?)。序盤を耐えれば日本のペースかも。

 たぶん、野安は酒を飲みながら試合を見ていると思います。「ギリギリのサッカーの試合」ほど、素敵な「酒の肴」はありません。



 さて。ゲームの話です。

 今日は、ひさしぶりに、3DSの話ではありません。

 まずは、こんなジョークから、どうぞ。



「そうか! ○○駅から○○線に乗り換えて、○○経由で○○駅に向かえば、通常よりも15分早く到着するのか! よし、これでアリバイは崩れたぞ!」
「ええ。ネットで調べたら、それが最短でした」

 これ、たしか10年くらい前に、野安がWEB日記(当時はブログなどというものはなかった)で書いたことのあるジョークです。“世界最短のアリバイ崩し小説”ですね

 あの当時は、それなりに笑えるネタだったんだけど、いま、これを読んでいる若い世代の人には、ネタの意味がわからないのかもしれません。



 野暮を承知で解説しましょう。

 昔は、こういう推理小説(ミステリ)が、たくさんありました。12時に殺人事件が起きた。しかし犯人と思しき人物は、その日の11時に、通常なら電車で80分かかる場所にいた。つまり殺害は不可能だ! みたいなところから物語が始まります。

 でも「常識外の乗り継ぎをすることで、じつは60分で到着する方法がある」ことを、時刻表とにらめっこしながら刑事が発見。それで事件が解決する――みたいな小説です。

 どうかしら? 若い人は信じないかもしれないけど、けっこう人気あったんだよ、このジャンル。

 でも、そろそろネットが発達したから、そんな小説は成立しないよね? というのが、冒頭に書いた野安のジョークなのです。



 このように、ネットの発達によって、それまで成立していたものが成立しなくなる――という事態は、いたるところで見られます。

 テレビゲームの世界でも、そういうの、あるよね。前述の会話に似せて書くなら、こんな感じになるのかな?



「○○戦を終えると、感動のムービーを見ることができるぜ!」
「いやいや。動画を見て感動したいだけなら、ネットで探せばいいんじゃね?」

 うん。身も蓋もない会話ですが、これが2011年現在の真実ですよね。著作権的にはアウトなんだろうけど、ネットに溢れた動画をすべて消すことは、物理的に、ほぼ不可能だし。

「凄い映像が見られる!」

 ということは、もはやユーザーにとっての「ご褒美」として、機能しなくなっているっちゅうこと。アリバイ崩しミステリが成立しなくなったのと、同じことです。



 だから、大変だよなぁ。

 いまは、「なんのために凄い映像を作るのか」を、ゼロから考えないといけないんだもん。

 ユーザーを「おおっ!」と言わせるためであるのなら、その映像は不要である可能性が高い。そこにかける労力を、別のところに振り分けたほうがいいかもしれないわけです。



 動画なんてもんは、ネットに溢れてしまう。
 誰でも、見ようと思えば、見ることができる。

 その上で、ゲームをプレイしているからこそ「ゲームの途中だからこそ、その映像があって、感動した!」「ネットでも見たけど、ゲームの途中で見ると、ぜんぜん感動が違うよね」と感じさせるような仕組みを作らないといけない。

 というわけで、いまのゲーム製作者って、大変だよなぁ……と思うわけですよ。妙なところで、いろいろなハードルが上がりまくりですよね。



http://twitter.com/noyasuyukio もどうぞ)


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