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「ニンテンドー3DS体験会」レポートみたいなもの(2) [ゲーム分析]

 体験会レポートの続きです。

 まずは数値データを書いておきましょう。会場には、376台の試遊台がありました。

 各ソフトの配置ですが、入り口を入ってから右側に「マニア向けのゲーム」、左側に「家族で楽しめるゲーム」が配置されていた、と考えてください。

 そのため、左側は任天堂ソフトが多くなり(ただし「ゼルダ」は右側にあった)、右側にサードパーティーのソフトが多い(ただし「レイトン」は左側にあった)、という構成になっていたわけです。

 その結果、ゲームファンが注目する、人気シリーズ最新作などの保守的なタイトルが「右」に偏り、AR技術などを使った革新的なタイトルが「左」に偏っている、という形になりました。なんというか、上手いことできてるなぁ……と思ったりしました(笑)。



 さてさて。

 昨日、ニンテンドー3DSは売れる! と書きました。

 これは間違いないでしょう。日本市場では、ほぼ確実にヒットしますよ。しなきゃオカシイ。いいスタートダッシュを切るでしょう。

 もちろん、世界でもっとも普及したゲーム機となった「ニンテンドーDS」を越えるかというと、そんなものは「わからない」としか言いようがない。

 それは、どれだけ継続的に、大衆に受け入れられるソフトを提供できるか? ということが大事になるわけで、ハード発売前に予想できるようなことじゃないですからね。



 ただ、これが発売時に、海外でどのように受け入れられるかは、野安には、ちょっとわからない。

 問題となるのは、値段でしょう。

 いま、極度の円高になっているから、これがゲームビジネスに、大きな影響を与えるんですね。



 商品というのは、全世界で、「ほぼ同じ価格にしないといけない」というルールがあります。これに違反すると「ダンピング」と言われます。詳しいことは検索して調べてください。

 さて。ニンテンドー3DSの日本での価格は25000円です。

 なので、仮に、1円が50ドルというとんでもない円高だったとしたら、このゲーム機、アメリカでの販売価格は500ドル前後になっちゃうんですね。そうしないと、「ほぼ同じ価格」にならないから。

 という極端な例を出されると、よくわかると思いますが、つまり円高になればなるほど、国産ゲーム機は、海外での販売価格が上がるっちゅうことなんです。

 でもって、いまは円高傾向にあるから、海外での販売価格を高くせざるを得ないんですよね。

 どの国でも、娯楽商品の販売価格ってのは、シビアに見られます。ニンテンドー3DSが、どのように受け入れられるのか、いまひとつ予想しづらいのは、そのためです。



 もうひとつ。

 このゲーム機、メディアの評判は、アテにならないでしょう。ここでいうメディアというのは、テレビや新聞、雑誌はもちろんのこと、webでの個人の意見なども含みます。

 日本にいると、たとえば海外の「子供達の評判」とか「高齢者の評判」がチェックできないんですよね。そこで見えるのは「熱心なゲームファン」の意見が、やっぱり多いから。

 熱心なゲームファンの意見なんて、「売れるかどうか」「大衆に受け入れられるかどうか」という判断をする上では、あまりアテになりません。

 なので、このゲーム機が、いま、どのように期待されているのかが、どうにも把握できないんですね。

 先日の体験会でも、たくさんの外国人の方がいらっしゃいましたが、みんな「大人たち」だったんですよね。もし「外国人の子供」がたくさんいれば、その反応を見ることで、それなりに売れ行きが想像できたんだけどなぁ。



 まあ、どの地域でも「ジワジワ売れる」という形になるんだろうな、とは予想しています。しかし、「どのくらいのペースで、ジワジワ売れる」のかが読みきれない、ということですね。

 ニンテンドーDSと同じように、まずは日本で、続いてヨーロッパで、そして最後に北米で、という順に普及していくんだろうな、とは予想しています。

 これは人口密度の問題ですね。口コミ――すなわち直接的なコミュニケーションによって面白さが伝わりやすい商品は、人口密度の高いエリアほど、より速く魅力が伝わっていきますからね。


http://twitter.com/noyasuyukio もどうぞ)


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