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ゲームビジネスはサービス業である [ゲーム分析]

 他業種経験者の中途採用

 といった話を、ゲーム製作の現場では、あまり耳にしません。こういうの、あるのかな?

 まあ、ゲーム製作者ってのは、技術職だからね。おいそれと未経験者を採用するような職場ではないような気もしますが。



 歴史を見てみると。

 ゲーム作りの現場には、最初はプログラマだけがいたわけです。その後、多くの「表現者」を仲間として引き込むことで、規模は大きくなっていきました。

・物語を作る人
・絵を描く人、絵を動かす人
・音楽を作る人、演奏する人
・声を演じる人

 などですね。



 でも、いま冷静になって見てみると、そっちに偏りすぎてるのかもしれませんよね。なんつーか、クリエイターが多すぎるわけです。

 そろそろ、次に引き込むべきは「サービス産業の人」だんだろうな、と思います。

 たとえば、ホテルマンとか、ツアコンとか、あるいはテーマパークのスタッフとか。「どう対応すると、人は心地よくなるのか」を実体験として知っている人たちですね。



 さて。

 いまから、ゲームの作り手の人たちを一斉に敵に回しかねない発言をします。

 「極論すれば、クリエイターなんか、いなくたっていい!」

 正直にいいますが、人を心地よくするノウハウを持つ「サービス業の人」がいれば、ゲームビジネスは、ちゃんと回っていきますよ。これ、賭けてもいい。



 いや、クリエイターは「いたほうがいい」んだよ。それは間違いない。

 でも「いなくちゃいけない」仕事じゃないの。

 クリエイターがいなくなったら、ゲーム産業は終わりだ! なんてことは、絶対にない。それは思い上がり。

 新聞記者がいなくなったら、ジャーナリズムはおしまいだ! というセリフを聞いたら、鼻で笑っちゃうでしょ? それと同じこと。



 ゲームのライバルはゲームではありません。世の中にある「あらゆる楽しいこと」がライバルです。

 それと同じように。

 ゲームクリエイターのライバルは、ゲームクリエイターではありません。世の中にいる「すべての人」がライバルです。いま、すべての人が、「自分で、なにかを発信できる環境」にあるからです。



 じゃう、どうすればいいのか。

 答えは出ている。これからゲームビジネスは、サービス業へと変化するんですよ。

 「何かを作って、発信する」なんて土俵だけで勝負する時代は終わります。というか、その勝負では勝ち目がない。それは数十億の「すべての人たち」をライバルにする土俵だからね。

 いや、そんな無謀な勝負に勝ち続けるような、“スーパー・クリエイター”と呼ばれるような人もいるのでしょう。でも、そんな人は、世界でも数えるくらいしかいないと思う。

 でもって、ゲーム業界としては、そんな少人数の背中に、業界全体の浮沈を背負ってもらうような、そんな脆弱なシステムに頼るわけにはいかないわけです。リスクが大きすぎるから。



 なので、すでに、ゲームビジネスは、サービス業としての要素が強い産業になってきてるんですよね。今後、その傾向は強くなるでしょう。

 これからのゲーム業界が補充しなくちゃいけない人材は、クリエイターじゃないんだよ。サービス業のようなことをこなせる人材が、補充されるようになるんだと思います。



 あるいは。

 ゲーム作りの現場の人に、サービス業の基本である「接客のための研修」などを経験させる、という方向に進むのかもしれません。

 ……もしかして、大手メーカーでは、こういうこと、やってるのかな? どうなんでしょ。



http://twitter.com/noyasuyukio もどうぞ)

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