「ゲーム大国ニッポンの崩壊」 [ゲーム分析]
AERAの記事を読む。
「ゲーム大国ニッポンの崩壊」という刺激的なタイトル。小島秀夫さんのコメントを軸に構成された、「いま、日本のゲームビジネスってヤバいんだぜ」という方向に決着する記事です。
うん。この記事は、いろいろと面白い。
小島さんのコメント自体には、そんなに目新しい部分はない。おおよそ、昨今の家庭用ゲームビジネスの一面を、きちんと説明・解説しています。ゲームに詳しくない記者(ライター?)に、やさしく説明するかのようにして行われたインタビューの現場が、目に浮かんでくるようです。
面白いのは、そんなインタビューから、「ゲーム大国ニッポンは崩壊している!」という結末へと、うまいこと記事を組み立てていること。
このあたりは、ライターの(あるいは編集部の)胸先三寸、の領域ですね。
同じコメントをベースにして、「ゲームビジネスの未来は、まだ明るい!」とか、「日本の若きクリエイターたちに、だからこそ頑張れ! とエールを贈る」みたいな方向へ着地させることも可能。というか、そっちに着地させたほうが、しっくりとくるコメントだよなぁ、と思いながら、野安は記事を読んでおりました(←ぜひ、そういう視点で、この記事を読んでみましょう)
で、結論です。
こういう記事が一般誌に出てきたってことは、よーするに、「日本のゲームビジネスは、上向き傾向になっている」と考えておいて、ほぼ間違いないです。
イマドキの言葉で言うと、「だいじょうぶか? もんだいない」ってヤツですね。
メディアってのは、きっちり観察してから批判するのが仕事、という側面があるから、底を打ってから昇り調子になった頃に、こういった批判的な記事が作られるんですな
ニンテンドーDSが出る前の、任天堂に対する記事などが、昨今ではわかりやすい例ですね。批判的・懐疑的な報道をされているときには、すでに潮目は変わってるわけです。
デジタル・エンタテインメント産業は幅広いものになってるからね。
「落ち込んでる分野」もあれば「伸びている分野」もある。「海外に負けてる分野」もあれば「海外をリードしている分野」もある。落ち込んでいる分野や、海外に負けている分野にフォーカスを当てて、そこのデータを抜き出せば、このAERAのような記事になるよね、っちゅうことです。
(いやまあ、そもそも「ゲーム大国」というくくりで日本を語ってる記事なのに、任天堂のことにまったく触れてないってのは凄いけどね)
フラットな視点で見れば、日本のデジタル・エンタテインメントは、ぜんぜん元気だよ。
むしろ右肩上がりだと思う。いまやケータイのソーシャルゲームが何十億円(へたすりゃ何百億か?)の利益を叩き出すようになった。ニコニコ動画は黒字化を達成(動画サイトの黒字化は世界レベルでも奇跡的なこと)し、膨大なコンテンツが日々増えているという現実があったりする。
そこから見えるのは、「有名クリエイター」じゃない人たち(膨大なアマチュアを含む)が産み出すコンテンツが、いまなお日本中から、次々に溢れ出てるという現実です。そこに巨大なビジネスが成立するようになっている。
この一点を見ても、日本が、いまなお世界随一のコンテンツ大国であることは疑いようがない。アマチュアの創作というレベルで、日本は、他国の追随を、まるで許さないレベルにあります。質・量ともにね。
まあ、パッケージソフト(のゲーム)を軸にビジネスを展開しているメーカーが落ち込んでるのは、事実だけどさ。
そんなもん、ユーザーにとっては、知ったこっちゃないしなぁ(笑)。
だって、ゲームだろうが、ゲームじゃなかろうが、楽しければいいわけだしね。
そもそも商品であろうが、商品でなかろうが、まったく関係ないし。
1人のプロが作った作品と、10000人のアマチュアが作った10000の作品を比べたら、「アマチュアの作った作品の中の、もっとも面白いもの」のほうが、きっと面白いんですよ。だったら、プロのクリエイターが苦境に立とうが関係ない。アマチュアの創作を手助けする仕組みがきっちりと機能する方が何倍も大事です。そっちのほうが「より面白いものが登場する可能性が高い」わけだから。
そろそろ、そんな時代が来てるんですよ。というか、とっくに来てたりするんだけどね。(だから、アマチュア作品を支えるシステムに対価が支払われることが自然なことになっていて、ニコニコ動画は黒字になったわけですな)
そう遠くないうちに、また、日本がコンテンツビジネスを牽引しますよ。
「ひとにぎりの天才」がクリエイターとして活躍して、その国のクリエイティブ面を支えるような時代が続くのなら、日本は苦しいんだけどさ。そんな時代は、そろそろ終わりつつあるからね。
ネットで繋がった膨大な人数がクリエイティブに参加して、その作品群にクリエイティブの価値が見出される時代が来ます。そんな時代になったら、そりゃもう「アマチュア作家の質と量」が決め手になるんです。
(http://twitter.com/noyasuyukio もどうぞ)
「ゲーム大国ニッポンの崩壊」という刺激的なタイトル。小島秀夫さんのコメントを軸に構成された、「いま、日本のゲームビジネスってヤバいんだぜ」という方向に決着する記事です。
うん。この記事は、いろいろと面白い。
小島さんのコメント自体には、そんなに目新しい部分はない。おおよそ、昨今の家庭用ゲームビジネスの一面を、きちんと説明・解説しています。ゲームに詳しくない記者(ライター?)に、やさしく説明するかのようにして行われたインタビューの現場が、目に浮かんでくるようです。
面白いのは、そんなインタビューから、「ゲーム大国ニッポンは崩壊している!」という結末へと、うまいこと記事を組み立てていること。
このあたりは、ライターの(あるいは編集部の)胸先三寸、の領域ですね。
同じコメントをベースにして、「ゲームビジネスの未来は、まだ明るい!」とか、「日本の若きクリエイターたちに、だからこそ頑張れ! とエールを贈る」みたいな方向へ着地させることも可能。というか、そっちに着地させたほうが、しっくりとくるコメントだよなぁ、と思いながら、野安は記事を読んでおりました(←ぜひ、そういう視点で、この記事を読んでみましょう)
で、結論です。
こういう記事が一般誌に出てきたってことは、よーするに、「日本のゲームビジネスは、上向き傾向になっている」と考えておいて、ほぼ間違いないです。
イマドキの言葉で言うと、「だいじょうぶか? もんだいない」ってヤツですね。
メディアってのは、きっちり観察してから批判するのが仕事、という側面があるから、底を打ってから昇り調子になった頃に、こういった批判的な記事が作られるんですな
ニンテンドーDSが出る前の、任天堂に対する記事などが、昨今ではわかりやすい例ですね。批判的・懐疑的な報道をされているときには、すでに潮目は変わってるわけです。
デジタル・エンタテインメント産業は幅広いものになってるからね。
「落ち込んでる分野」もあれば「伸びている分野」もある。「海外に負けてる分野」もあれば「海外をリードしている分野」もある。落ち込んでいる分野や、海外に負けている分野にフォーカスを当てて、そこのデータを抜き出せば、このAERAのような記事になるよね、っちゅうことです。
(いやまあ、そもそも「ゲーム大国」というくくりで日本を語ってる記事なのに、任天堂のことにまったく触れてないってのは凄いけどね)
フラットな視点で見れば、日本のデジタル・エンタテインメントは、ぜんぜん元気だよ。
むしろ右肩上がりだと思う。いまやケータイのソーシャルゲームが何十億円(へたすりゃ何百億か?)の利益を叩き出すようになった。ニコニコ動画は黒字化を達成(動画サイトの黒字化は世界レベルでも奇跡的なこと)し、膨大なコンテンツが日々増えているという現実があったりする。
そこから見えるのは、「有名クリエイター」じゃない人たち(膨大なアマチュアを含む)が産み出すコンテンツが、いまなお日本中から、次々に溢れ出てるという現実です。そこに巨大なビジネスが成立するようになっている。
この一点を見ても、日本が、いまなお世界随一のコンテンツ大国であることは疑いようがない。アマチュアの創作というレベルで、日本は、他国の追随を、まるで許さないレベルにあります。質・量ともにね。
まあ、パッケージソフト(のゲーム)を軸にビジネスを展開しているメーカーが落ち込んでるのは、事実だけどさ。
そんなもん、ユーザーにとっては、知ったこっちゃないしなぁ(笑)。
だって、ゲームだろうが、ゲームじゃなかろうが、楽しければいいわけだしね。
そもそも商品であろうが、商品でなかろうが、まったく関係ないし。
1人のプロが作った作品と、10000人のアマチュアが作った10000の作品を比べたら、「アマチュアの作った作品の中の、もっとも面白いもの」のほうが、きっと面白いんですよ。だったら、プロのクリエイターが苦境に立とうが関係ない。アマチュアの創作を手助けする仕組みがきっちりと機能する方が何倍も大事です。そっちのほうが「より面白いものが登場する可能性が高い」わけだから。
そろそろ、そんな時代が来てるんですよ。というか、とっくに来てたりするんだけどね。(だから、アマチュア作品を支えるシステムに対価が支払われることが自然なことになっていて、ニコニコ動画は黒字になったわけですな)
そう遠くないうちに、また、日本がコンテンツビジネスを牽引しますよ。
「ひとにぎりの天才」がクリエイターとして活躍して、その国のクリエイティブ面を支えるような時代が続くのなら、日本は苦しいんだけどさ。そんな時代は、そろそろ終わりつつあるからね。
ネットで繋がった膨大な人数がクリエイティブに参加して、その作品群にクリエイティブの価値が見出される時代が来ます。そんな時代になったら、そりゃもう「アマチュア作家の質と量」が決め手になるんです。
(http://twitter.com/noyasuyukio もどうぞ)
2010-10-29 00:00
nice!(0)
トラックバック(0)