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「デートゲーム」は、いつ作られる?(2) [ゲーム分析]

 ゲームの進化というのは、ようするに環境に適応するための進化だったりします。



 ファミコンの頃は、小学生とか中学生とか、年齢が若い人たちがメインターゲットでした。「お金はないけど、時間はある」人たちです。なので、じっくりと時間をかけて遊べるゲームが喜ばれました。

 だから、いまでも「ポケットモンスター」とか、小さな子供が遊べるよう配慮されたゲームは、プレイ時間を長めに設定した上で、ゲームそのものを設計しているわけですね。



 中古問題というものもありました。

 とっととクリアされてしまうと、それが中古ショップに流れてしまう。すると「30万人の人が楽しんだ」ゲームも、実際には10万本しか市場に出ない、ということになる。これは困るわけです。

 なので「やり込み要素」みたいなものが投入されるようになりました。まだ中古ショップに売りたくない……という気持ちにさせることが、ソフトの実売本数に直結するからですね。



 とまあ、その時代ごとの、ユーザーの環境にあわせるようにして、ゲームの内容は変化していきました。

 環境に適応できたゲームが、その時代のヒット作になる、ということです。

 たとえば昨今では、家庭用ゲーム機が登場してから四半世紀が過ぎて、つまり昔は子供だったゲームユーザーは大人になった――という環境が整ったわけです。親と子供が、ともにゲームを遊ぶという家庭が増えたということです。

 なので、ファミリーが同時に楽しめるようなゲームが、Wiiを中心に登場するようになって、世界的なヒットソフトになったのです。



 じゃあ、これから訪れる「ゲーム環境」とは、どうなるのか?

 いま、ハード所有者のデータを見ればわかるように、もはやゲーム機は年齢や性別を問わずに所有するものになりました。それらを持ち歩くようになりつつあります。だから、

1:みんながゲーム機を持っていて。
2:だからこそ成立する、楽しいゲームであり
3:そんなに長時間かけなくても楽しめる

 といった、現在のプレイ環境に適応したゲームが、どんどん作られていくようになって、それが大きなジャンルになるだろうと、野安は予測します。



 いわば「デートムービー」ならぬ「デートゲーム」ですね。

 「デートの途中、10分くらい楽しめる」みたいなイメージです。いやまあデートの途中でなくても、たとえば同性同士で楽しんでもいいんだけどね。

(あ、この言い方はマズイのかも。世の中には同性同士のデートもあるからね)

 とくにゲームが好きな人同士でなくても、一緒に楽しめて、終わった後に「ゲームの感想を言い合えて、なんか楽しい」という気持ちになれればベストでしょう。

 とくに映画が好きな人じゃなくても、一緒に映画を見て、感想を言うのって、ごく普通に行われてますよね? それと同じような状況を生むようなゲーム、ということです。

 みなさんよりも先に、3DSを実際に体験した者としては、「AR」を利用したゲームが、そんな楽しさを提供するジャンルに適してるんだろうな、と思ってます。



 これ、ほとんど手付かずのジャンルだから、いわば「早いもの勝ち」な状態なんじゃないかなぁ。

http://twitter.com/noyasuyukio もどうぞ)


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