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日本は「いいサッカー」をした [箸休め]

 ワールドカップ。日本はベスト16で消えました。ちょっとした虚脱感とともに毎日を過ごしています。

 というわけで、そろそろ来週あたりから、ゲームの話を再開することにしましょう。



 なので、今日は、ワールドカップ(における日本代表)のまとめです。

 日本代表の戦い方について、いろいろな論評があるでしょう。ただ、ひとつだけハッキリ断言していいことが、あるのだと思います。

 今回の日本は「いいサッカー」をした、ということです。

 野安の心の中で、この事実は、まったく揺らぎません。日本代表が見せてくれたのは、まぎれもなく「いいサッカー」だったと思うのです。



 もちろん、何を「いいサッカー」と呼ぶかは、人によって違います。

 でも、ふだんスタジアムでサッカーを見ている野安は、スッパリと明快に断言しちおうと思います。「いいサッカー」といのうは「オレたちは、こうやって戦うんだ!」というメッセージが、ちゃんと伝わってくるサッカーのことなのだ、と。

 敵を攻め倒すサッカーも
 中盤を潰し合うサッカーも
 自陣を固めて耐えるサッカーも

 「応援する者の心を震わせる」という価値観で比べるなら、そこに優劣はないんですよ。どんなサッカーであれ、「オレたちは、こうやって戦うんだ!」というメッセージが伝わってくれば、それは見る者の心を震わせます。魂を込めて応援してやろうじゃないか! と心から思える対象になるんですよ。

 スタジアムでサッカーを見ている人なら、この感覚、共感してもらえると思います。

 今回、いざワールドカップが始まったら、にわかに日本代表の人気が高まったのは、この「心が震える」という感覚を、多くの人が理解したからなんじゃないかなぁ。



 攻めなくちゃダメなんだ。
 レベルの高いサッカーをしないと、ダメなんだ。
 なぜなら、そういうのが「いいサッカー」だから。

 といった馬鹿げた意見を言う人もいますが、いやいや、そんなの関係ないよ。

 どんなサッカーであれ、どんなレベルであれ、「オレたちは、こうやって戦うんだ!」というメッセージさえ伝わってくれば、それは人々の心を震わるのですよ。

 というか、それこそが、サッカーというスポーツが持つ魅力であり、魔力だからね。

 だからこそ、ごく一部のレベルの高いチームだけがファンを獲得して、それ以上は広がらない……という、チンケなスポーツにとどまることなく、サッカーは、全世界で何万・何十万というクラブが、何百万・何千万・何億もの人々の心を、つねに震わせ続けているわけで。



 だから、もう一度いいます。

 2010年。日本は「いいサッカー」をしました。

 これを「いいサッカー」と感じなかったのなら、たぶん、「心の底からチームを応援し、試合の当事者として、その試合を見つめる」という体験をしたことのない人なのかもしれないなぁ、と思ったりしています。

 いや。それが、悪いわけじゃないですよ。

 でも、サッカー・ジャーナリストをやっている人の中に、そういう人が混ざっているように見えちゃうってのは、困ったものですよね。それって、「サッカーが、なぜ人々の心を震わせるのか」という根源的なことを、自分の肉体で理解してないってことだもんなぁ。



 テレビゲームにたとえるなら、「テレビゲームのこと好きじゃないし、ゲームを楽しんでいないのに、ゲームの論評をしている人」みたいなもんですね。

 それがいけないわけじゃないけど、なんというか、どうしたって薄っぺらい意見に見えちゃうから、やめたほうがいいのになぁ、と思うわけです。


http://twitter.com/noyasuyukio もどうぞ)
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