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ゲームの面白さとは何か? 第一章(4) [ゲーム分析]

 さて。そろそろ第一章の本題に突入します。

 「行動」と「結果」の間の経過時間が長くなればなるほど、そのゲームを楽しむのは難しくなる!

 というのが、ゲームという遊びが持つ特性のひとつです。

 これは、すごく大事なポイントなんだけど、けっこう多くの人が気付いていないんじゃないかなぁ……と野安は思っているのです。



 これが小説なら、みんな理解してるんですよ。

 10ページの短編小説は、ふだん本を読んでいない人でも、楽しく読める。
 けど、10000ページの小説だと、挫折する人がたくさん出てしまう。
  (というか、そもそも、最初から手を出さない人も多くなる)

 ということは、みなさんも、実感として理解していますよね?



 これは、「さあ、読め始めるぞ」と行動を起こしてから、「読み終わったぜ」という満足感を得るまでの経過時間が短いほど、エンタテインメントとして楽しみやすくなるからだ、と考えることもできます。

 だから10ページの本は、初心者にとって、とっつきやすいものになるのですね。

 一方、10000ページの本ってのは、ゲーム風にいうと「難易度が高い本」になります。それが悪い、といっているのではないです。もともと読書という行為そのものが好きな、いわば上級者向けの本になっているよね、ということです。



 ゲームも同じです。

 「行動」と「結果」の間の経過時間が短いほど、エンタテインメントとして、とっつきやすくなります。

 逆に、「行動」と「結果」の間の経過時間が長くなると、初心者が途中で投げ出したくなる作品になる。楽しむための難易度が高くなっていく。いわば上級者向けのものになっていくのですよ。



 抽象的すぎて、なにをいってるのかわからない、という方もいるでしょう。

 なので、具体例をあげます。

 たとえば「街~運命の交差点~」や「428~封鎖された渋谷で~」などのサウンドノベルが、その典型でしょう。



 これらのソフトは、一見すると難易度が高いようには見えない。

 むしろ、誰でも遊べるゲーム、みたいな紹介をされることもあります。

 とんでもない話です。これらのゲームは、とびきり難易度が高いゲームですよ! めちゃくちゃ上級者向けのゲームになっている。

 なにしろ、「行動」してから「結果」が出るまでの時間が、他のゲームと比べて、とてつもなく長く設定されていますからね。

 この要因により、たとえば「428~封鎖された渋谷で~」は、ここ数年で発売された全テレビゲームの中でも、これは五本の指に入るくらいに「難易度が高い」ゲームになってるよなぁ、と野安は思っています。


(つづきます)

※このブログはツイッター http://twitter.com/noyasuyukio と連動しています。
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