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ファミコンの登場以降、変革は起きていない [ゲームハード]

 先日、中日新聞の取材を受けまして。掲載されるのは5月かな。

 掲載前なので、どんな話をしたのかを、ここにきっちり書くのはマナー違反。なので、ほんのちょっとだけ。

 「ここ20年くらいで、ゲームは、どのよう変遷してきましたか?」といった質問があったので、こう返答しておきました。

 「とくに語るような変遷はありません。だって、ファミコンの登場以降、ゲームには、大きな変革なんか起きてませんから」と。



 コンピュータは、かつて研究所とか大学にあったわけです。そこで「ゲーム」を遊べるようにした人たちがいたわけです。これがテレビゲームの始まりであり、ゲーム史における「第一の変革」といえます。

 いずれ「お金を払ってもらうかわりに、ゲームが遊べるようにする」という形のビジネスが始まります。ゲームセンターのビジネスですね。ここから、ゲームは大衆向けのエンタテインメントになりました。これがゲーム史における「第二の変革」です。

 そして家庭用ゲーム機が登場します。「個人でゲーム機を持つ」「先にゲームソフトを購入して、それをプレイする」という形で、お金が流れるようになりました。これが「第三の変革」です。



 そして、いまのところ、これに続く変革は起きていないんですよ。



 だって、いまなお「ゲームソフトを購入し、プレイする」という形で、わたしたちはゲームに触れています。お金の流れは、まるで変わっていない。オンラインで買えるようになったりして、いろいろと便利になってはいるけれど、「ゲームソフトを購入し、プレイする」という形は変わってない。

 つまり、現在の大半のゲームは「まず、お金を払ってもらう(買ってもらう)に値するソフトを作ろう」という枠組みの中で、作られ続けているっちゅうことです。数十年にわたり、同じことが続けられているんです。そこに大きな変化はありません。

 だから、家庭用ゲーム機というモノが登場して以降、ゲームの歴史では、特筆すべき変革は起きていない、といっていいんですよ。



・絵が綺麗になった。
・音が豪華になった。
・マシンの性能が上がった。

 たしかに、いろいろと変化してきました。でも、なにか根本的なところが変わったわけじゃない。ゲームに詳しい人からすると、こんなにもいろいろな進化があったんだ! と語れることはあるんだけど、それって、多くの人にとっては、どうでもいい変化なんです。

・エンジンが凄くなった
・乗り心地が良くなった
・燃費がよくなった

 という変化があっても、自動車の歴史に、大きな変革があったわけじゃないのと同じ。クルマに詳しい人からすると、いろいろと進化があったことを語れるんだろうけど、多くの人にとっては、どうでもいい変化なんです。「およそ100年くらい前から、自動車が大量生産されるようになった。だから、徐々に、大衆が自動車を所有できるようになっていった」という、むかしから脈々と続く大きな流れは、なにひとつ変わっていないわけです。

 それが悪いわけじゃない。成熟するというのは、そういうことです。



 ただ、ゲームは、まだ変革するんだろうな、と思っています。

 次の大きな変革があるとするなら、それは「お金の流れが変わった」ときです。

 「まず、お金を払ってもらう(買ってもらう)に値するソフトを作ろう」という枠組みじゃないところで、ソフトが作られるようになるんだろうなぁと。

 すでに、たとえばオンラインゲームでは、「アイテムの販売」によってビジネス成立させる、という新しい形が発生しています。あるいはゲームを楽しむために多くの人が集まり、だからそこで広告ビジネスが成立する、といったものもありますね。お金の流れが、これまでとは違ってきてますよね?

 こういった、これまでと違うお金の流れが発生するモノが、ゲームビジネスのメインストリームになったときが、次の変革になるんじゃないかと思いますよ。
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